SHOCKのウチに感情を全て持っていかれた話。
今回はSHOCKの話をします。
中でもライバル役・ウチについて。
そもそも内博貴くんの担当なので、もしかしたら贔屓目があるかもしれませんが。「そこは見てなかった!」「ウチってなんだか憎めないな…」そんな気付きが1つでも見つかれば幸いです。
すべて私の主観の話です。同じシーンを見てもいろいろな感じ方があり、それがまた楽しいと思うので、何か別の解釈があれば教えていただけるとすごく嬉しいです!
あっ!ネタバレ含みます。
では、始めます!
SHOCKを見ていると、ウチの1番の味方でいたくなる。「誰かもっとウチのこと分かってあげてよ」「大丈夫。大丈夫だからね」って、そんな気持ちになる。
ウチの気持ちが痛いほど伝わってくるからだ。
では、ウチの何がすごいか。
ざっくり言うと、対比である。
この対比で、いつの間にか感情を大きく揺さぶられて、知らぬ間にウチに寄り添ってぼろぼろ泣いている。
1.可愛さと泥臭さ
まず、ウチ…はちゃめちゃに可愛い。
よく「大型犬」と称されることがある。
特に1幕序盤、なんかきゃんきゃんしてる。
例えば、コウイチが次の作品を考えてると話すシーン。
ウチとして最新の円盤(2012)では、「でーもシェイクスピアなんて〜!」と地団駄踏むような言い方なんだけど、2019では「でもシェイクスピアなんて〜〜」と少し声色変えて(あれ?伝わらない)、少しおどけてからかうみたいな言い方。ただ、ここでは本気で怒ってるのではなくて、全然相手にされないみたいな末っ子感がある!
それから、Yes,My Dreamで脚立に座りカイト・ゲンタと並ぶシーン。
「さっきのコウイチの登場!あれ焦ったよナッ」
このナッがはちゃめちゃに可愛い…
なんていうんだろうな、カイトたちの前ではちょっとだけお兄さん感を出してるところがあるんだけど、それでも可愛さが拭いきれないウチ…!
そしてこの後・上手の木箱に乗っているところ!ここもまた内松松の可愛さが!この手でふりふりしてます🤙🎶 お口 むっとして眉を寄せてギュってした可愛い顔!とか、あひる口とか!ウチはカンパニーのみんなが本質的には大好きなんだろうなってとにかく楽しそうなのが可愛い可愛い!
そして2幕でオーナーに泣きつくシーンも、その愛らしさが爆発。客席から見ると完全に背を向けているんだけど、ひくひくしがみつくような動きに、子どもみたいなウチをぎゅってしてあげたくなる。
「オーナー嘘ですよねぇ…嘘だよねぇ…?(泣)」
ここで急に敬語が外れるのが、涙腺ポイント。
その反面!
泥臭くってがむしゃらなキャラクター。
ただただコウイチに追いつきたくて仕方がない。
SOLITARYで出とちった後、誰に止められようとも自分が正しいと言わんばかりに怒鳴る。誰に見られているとか関係ない、感情をむき出しにする。そしてその後「お前は自分がステージに立てなかったのを怒ってるだけじゃないか?」「その前に分かれって言ってんだよ!」とコウイチから正論を投げられると、目で見えるほどにどんどん萎縮していく。(ばつが悪そうな感じがすごく伝わってくるお芝居。) …にもかかわらず、「Show must go onかよ…ッ」と吐き捨て刀を床に叩きつけて去っていくウチ。どうしたってコウイチの気持ちは受け入れられないと言わんばかりに自分の感情を貫くから、少しハラハラしてしまうけど。
態度に表情に全てが表れるウチはかっこ悪いけど人間味があって私自身とも重ねてしまう。ウチだってコウイチと同じく華やかなショーを彩る存在なのに、どこか私のようなフツーの人が抱く悔しい・悲しい・つらいetc全てをぐちゃぐちゃにかかえている気がしてしまう。
2.強さと弱さ
想像するに、ウチはずーっとずーーーっとコウイチを見ながら意識しながらステージに立ってきた。あんなことを起こしてしまうほどに、葛藤は抱えきれないぐらい積み重なっていた。それでも、ウチは負けない。誰よりも俺がかっこいいと信じて堂々とステージに立つ。
それがわかるのはまず1幕初め。
前髪をぴしっと分け、綺麗にセットされた髪、キラキラした瞳。そしてスタイル良くセットアップを着こなす。ウチは見るからに、華やかなステージを紛れもなく彩る存在。洗練された、とか、そんな言葉が似合う。
立ち位置はやはりコウイチに次ぐ二番手だけど、まるでそんなことは気にしていないかのように、きらきらと輝いて見える。
ウチはショーに関わる者として、プロの根性みたいなものを持っている気がする。
「俺たちが目指すのは華やかなショーだろ?」
カンパニーとして目指すものの中に、自分をぴったり当てはめて、突き進む強さがある。
でも、ウチのぽっきり折れてしまいそうな心の弱さを感じる場面がある。
まずは2幕序盤の夢のシーン。
カンパニーのみんながウチを責める声が重なる、追いかけてくる。ウチはもうこのことしか頭に浮かばないぐらいに自分を責め続けていたんだろうな、怖かったろうな、と思わずにいられない。自分対その他多数、という怖さ。たった1人でギリギリのところに立っているような。
そして、歌い方が明らかに変わった Don't Look Back〜戻れない日々〜。
オペラかのようで声は太く、一見すると強さも感じられる歌い方だけど、一音一音丁寧に歌う冒頭部分は特に、怖いほどにウチが感情を訴えかけているように思ってしまう。
まるで泣いたときに声が途切れるような悲しさも感じられ、その反面、もう戻れないのだからここで1人でやっていくんだと振り切るような強さなのか?
3.儚さと激しさ
2の弱さと重なる部分が多いけれど、感情のメーターがいっぱいになり取り乱すシーンなんかは髪がボサボサにぐちゃぐちゃになる。今回のウチは髪が明るく、ライトに照らされるサラサラな髪の毛が一段と繊細さを表す。
1幕冒頭でスタイリッシュにクールに決めた笑顔でステージに立っていたのに、そのイメージをどんどん崩していく。
「コウイチが…死んだ?」
喉からギリギリ出すような声(実際にはお客さんにその感情を伝えるための発声である必要もあるから、"絶妙に上手い"お芝居なのだと思う。) で、頭が真っ白になる瞬間が手に取るようにわかる。
でもやっぱり、ウチらしさ、ウチをウチらしくするのは、感情が爆発する部分だと思う。
怒るときには全身で表す。
例えばソリタリのでとちり後にスタッフにキレるシーンでは、スタッフが吹っ飛ばされる勢いで殴りかかる。
泣くときには、まるで子どものように泣き噦る。
喜怒哀楽がはっきりとしていて、メーターを振り切る。その起伏に、気付いたらこちらも涙が出てしまっていることが多い。
これはウチらしさと表したように、いつもそうなんだと思うけれど、今回2019年のSHOCKではさらにそれを感じる。
なぜかというと、歌を完全に自分のものにして、ウチの感情でその歌を操っているから。
これは、"泣ける歌詞をただ歌う"とかいうことではなくて、そのときのウチの感情を120パーセント乗せて歌い上げるということ。
その例として、まずはMissing Heart。
怒りに震えながら始まる。胸が苦しくなる。
「お前だけがいつも」のところで、コウイチをブンッと指差す勢いで力がこもって震えるウチ。
そして、コウイチが入院している間も守り続けた劇場で歌うHigher。
「何もかも変えて"みせるさ"ァ⤴︎↗︎」
歌を、まるで台詞のように力強くシャウト。
ウチの感情が高ぶると同時に、それを歌に思い切り力強く込める。
「内くんがこんな風に歌うのを今まで見たことがない」と何度も思った。
そして、不治の病に苦しみそれを家族に打ち明けられない葛藤を抱えた主人公を演じた舞台とか、全曲生歌で高いキーも1人で歌い切ったライブとか。いろんなことに考えを巡らせた。
内博貴が積み重ねてきた全部をウチに繋げて、ウチらしさをより強く濃くする。ウチの苦しさや葛藤を、お客さんに痛いほどわからせる。
内くんの表現の幅が確実に広がっている事実にもまた震えて涙が出てしまう。
決して順風満帆ではないし、いつだってきらきら笑顔だけを見せるわけでもない。愚痴を吐きながらかっこ悪い姿を見せても、自分の軸だけはブレない内くんを投影してやっと完成されるウチ。
いつの間にかSHOCKの世界に入り込んで、ウチと一緒に苦しんで一歩前へと進みたくなる。
ウチって、内くんって、本当にすごい!
余談なんですけど、双眼鏡でウチに注目してみてください。そうすると、本人も無意識のうち、ばちばちウインクを決めるスター性・アイドル力のかたまりなんです。実は!
ウチと、ウチを演じる内博貴くんの魅力に心奪われる人がたっっくさん増えますように!