私は自担の「表現」がたまらなく好きだ。

 

 

 

 

 

 

1年ちょっと前の記事を読み返す。

内博貴 と ”ライブ” について思うこと - 見つめた君の照れ笑いが今は正解

 

 

あの頃の私は、自担のライブが1番に好きだったんだろう。もちろん今も特別で、心待ちにする気持ちには変化がない。私は、内博貴くんの担当で、内くんがライブをできることが幸せで仕方がない。

 

 

 

 

けれど今は、自担の活動に対して「優先順位をつける」よりも、「彼の表現が好きだ」という気持ちに変わっている。

 

 

 

 

 

 

そんな風に感じ始めたのは、今年の夏のライブ。

これまでふわっと心で感じていたことが、形になったような感覚があった。

 

私は内くんの歌声が単に好きで、ただただ好きで、その声に酔いしれることができるライブが大好きだ。

けれど内くんは単に歌が上手い・声が良いだけではない。ライブ、つまり生の内くんの歌を聴いていると、"スキルの高さ"ではまとめきれないほど、どんどん魅力を見つけてしまう。

 

少年倶楽部の映像で内くんが歌うのを見たことがある方もいるかもしれない。ああ、歌が上手いね、声が甘いね、そんな感想になるかもしれない。けど実際にはほんの一部でしかない。

 

実は内くんは、唸るような、魂を振り絞るような、力強さのかたまりのような声で歌ったりもするし、その曲のリズムや音程に忠実に歌うことに加えて一音一音で色気を表したりする。

 

こんなことは、ライブに行かれていない方に上手く伝わるかどうか、難しいところではあるけれど、どうにか必死に伝えたいと思って文章を綴っている。どうか伝わりますように。

 

具体的に思い起こしてみると‥

まずはANSWER(V.WEST)では、「運命としてよbaby 」という歌詞がある。内くんの高めの声を生かし音をハッキリさせ、耳に残るような印象があった。何度も歌ってきたその歌は、その印象が抜けない。これからもそうだと思っていた。でも!最新の公演では音の間が埋まるように繋がって優しい大人の色気を感じられるような歌い方に変わっていた。たったワンフレーズで、別の曲のように感じさせることを実現した。

 

それからCrave itという内くんのソロ曲がある。「俺を貪ってる」というフレーズ。歌を上手く歌う、という観点だけで考えれば、その歌い方にはならないだろうな、と。ライブ中にふと思った。あの曲を用意された人は、内くんみたいにみんな歌うんだろうか?と。内くんの絡みつくような歌い方が色気を増して、曲の雰囲気を盛り上げる。

 

私は夏のライブを見て、そして見終わって、胸いっぱいになる気持ちを何度も反芻して、そんな風に感じた。

 

内くんの歌声が好きなだけではない。

内くんが曲を自分のものにして、表現して、届けてくれる、それが好きなんだ!と。

 

 

 

そうすると一気にストンと落ちた。

舞台よりライブが見たいなあ、なんて順位をハッキリ付けたい気持ちはふわっと消えた。(前述の通り、ライブが特別だということは全くもって変わらないけれど。)

 

 

 

 

現在、DDD青山クロスシアターで上演中の主演舞台「まさに世界の終わり」は、内くんの表現を楽しむに絶好のチャンス。

 

 

不治の病に侵された主人公ルイ役を演じる内くん。死を前に帰郷し、家族にそのことを打ち明けようとする。その中の、家族のそれぞれの葛藤。ルイは帰郷の目的を言葉にできるのか。

 

演出家の石丸さち子さんは、「繊細でありながら骨太な存在感がある」「痛ましい作品だからこそ、彼の美しさが光る」と内くんのことを評されている。

 

まさにその言葉が腑に落ちる。単に重苦しい舞台だなあ、で終わらないのはなぜかって。

この作品や主人公について内くんなりの解釈を深め、この場面ではこんな風に考えているのかな?と観劇者が想像することができる。そして、死という重くのしかかるテーマをより切なく苦しく、そしてまたその反面、主人公の個性を美しく際立たせたのは、内くんの美しさを生かした表現だ。自担だから、かっこいい!美人!とかそんな話ではない。美しさゆえにルイが成り立ち、ルイの死と向き合う姿が際立ち、作品の世界観が出来上がっている。

 

私の中では、死とは重く苦しいものであり、死を前にした人はただただ苦しいのかと思っていた。しかし本当にそうか?死や家族と向き合うルイは、どれが本当のルイなのかと疑問のわくほど別人のような顔も見せる。ルイを操るのではなく、ルイが目の前で私たちに頭の中を見せてくれているような感覚に陥る。

 

かと思えば、ふと内くんすごい‥!と内くんの能力に圧倒される。予想の5倍はある長台詞。止まらない、続く続くルイの言葉。覚えるだけでも難しいところ、そのひとつひとつを自分のものにして表現をしているなんて。

 

抽象的な言葉になってしまうが、舞台の感じ方・解釈は人それぞれ。ぜひ観劇して感じ取ってほしい。内くんなりの表現を、みなさんなりの受け取り方で。

 

 

 

 

残すところ全9公演。

 

今の内くんだから、演じられるルイ。

 

クロスシアターという小劇場で、台詞の一音一音の発声や、はたまた目線の動き、息遣い。

内くんの表現を余すことなく受け取りたい。

 

そして、みなさんも騙されたと思って、内博貴の表現を直接受け取りに、クロスシアターへ足を運んでほしい。